2009年05月16日

朝丘戻。 「わすれな人。」 感想



◆内容紹介◆

笹森葉月は時々現実が辛い。兄の皐月が「兄」じゃなくて、ただの「笹森皐月」ならいいのに。そしたら「好きだ」と言えるのに。
夢を叶えて現実に生きる兄と、夢がうつろな夢のまま、兄に恋する弟。
報われるはずのない禁断の恋が、成就するかに見えたその直前、事件は起こって。すっぽりと抜け落ちた記憶の闇の底で、葉月が見つけたものは…。
一度まっしろになった心に咲く、愛のお話。

◆感想◆
朝丘戻。さんの本は3冊買ったので(他:ドラマ・春恋。)、とりあえず1冊読んでみました。
どうにも最近活字に飢えているようで、BL以外の小説もドンドン読んでいます〜。時々発作的に活字飢えが来るんですよね(笑)
先日、BOOK OFFで何冊か本を買ってきました〜。
朝丘戻。さんの本も探したのですが(コバルト文庫は完全に女性向けにされていないので)、残念ながら見付からなかった・・・・・・。今度探そう。

読んでいる最中、鼻の奥がずっとツーンとしていました。

兄弟で、かつ同性に恋をしてしまい、悩みを抱える主人公が凄く切なかった。
この作品で凄く気になったのは(いい意味で)、会話部分と文章部分(ナレーション部分といいますかね?上手い表現が見付かりません^^;)。
会話部分では何気ない日常の会話がされていて、ついつい笑ってしまったりするのですが、文章部分では葉月の葛藤とか辛さとかが描写されていて、直前まで笑っていたのに急に胸が苦しくなってしまう
1人称視点で描かれているからこそ出来る手法なんでしょうね〜。

それと、皐月の無神経な発言が辛かったり。
同性愛という物に偏見を持っていて、葉月が告白した途端に動揺し、かつ、様々な偏見で葉月を傷つけてしまう。
それはしょうがないことかもしれないけど、読んでる身としては辛かったな〜。
俺は「好きなら性別も年齢も関係ない!」って考え方なので(女性も勿論OKですがw)、基本的にそういうことには縛られていないのですが(・・・まぁ、本気で恋したこともないかな)、皐月のように多分の偏見を含んだ考え方を見聞きすると、葉月と一緒になって苦しく思ったり。
「そりゃあ、同性愛なんて世間ではマイノリティだろうし、しかも兄弟だから動揺するのも分かる。分かるけど受け入れてあげてよ!」っていう思いで読んでいました(笑)

告白する前の片思いの辛さ、告白した後の片思いの辛さ、葉月の心理描写がされているため、一緒になって悲しくなったりしてましたね〜。
後、葉月の事を好きだという西澤さんという女の子の気持ちも切なかった。しつこいぐらいにメールするのも、「もし自分がされたら鬱陶しいだろうな」と思いつつ、「彼女もまた片思いで苦しんで、少しでも近づきたいと思っているんだろうな」と思って、色々と思うところがありました。

最後の方で、皐月が葉月を抱く(要はセックス)というシーンになるのですが、そこでもまた辛かった。
皐月が葉月の下着を降ろして・・・っていう所で、「・・・・・・男だ。」と皐月は言う。
葉月は幸せの絶頂にいるのに、「そこまで引っ張っておいてそんなこと言うのか!」と思いましたが、それでもやはり、皐月の反応は当然だったのかも。
なんだか、本当に自分(=読者)の感情の起伏が多かったなぁ。

その後、葉月は事故で記憶を失います。正確に言うと、感情。
誰に対してどういう印象を抱いていたとか、そういうのが思い出せなくなっちゃうんですね。それで、次第に思い出していくのですが、皐月への思いは思い出せないまま。
今度はそれに皐月が動揺し、悩み、怒り。皐月もまた、葉月を傷つけたことで後悔していたため、色々と思い悩んだんじゃないかな。
それだけじゃなくて、「自分」という物を誰よりも分かっていてくれていた葉月に対して、皐月は恋愛感情?というか、これはもう、愛情を抱いていたんじゃないかと。
恋愛とかそういうのじゃなくて、もっと深いような・・・・・・言葉が思いつかないな。

なんだかそういう雰囲気が感じられた。

で、ラストは葉月が感情を取り戻します。
皐月に想いを伝えて、多分ハッピーエンドだったんだろうな。
皐月は編集の「要」という女性と付き合うことになっていたんだけど(理由は不明。葉月を愛してはいた)、葉月が感情を取り戻したことで、葉月と付き合うんじゃないかと。
ただ、その辺りは描写されていないので、なんともいえない余韻を残します。

後、印象的だったのは、最後のページにある4枚の写真と言葉。
写真は割愛しますが、言葉が凄く印象的だったので、載せておきます。

「あなたにとって なんということのない僕を」
「なんとなくで良いので おぼえておいて下さい。」
「すれちがって ふりむいてくれなくても良いです。」
「すれちがったことを おぼえておいて下さい。」


ここで一気に泣きました・・・
その後、読み返してまた泣いたり・・・・・・。
昨日読んだのに、今日も作品のことを考えてしまったから、印象深かったのかな。今もちょっと読み返しただけなのですが、泣きそうです(笑)

個人的にはかなりの当たり本。書ききれないぐらい良かった。
他の作品も読みたい。

長くなりました・・・・・・読んでくださった方、ありがとうございます。


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