2009年05月21日

火崎勇 「どこまでも続く夜に・・・」 感想



◆内容紹介◆

いつか、迎えに来てくれる日まで……。
葉山京夜は毎日一人。誰もいない家、なじめない友達。抱きしめてくれたのは、黒い髪に黒い服のふしぎな魔物『カラス』だった。いつしか大人になった京夜のもとにある男が…。“妖風”ボーイズラブファンタジー!

◆感想◆
かなり批判しているので、ご注意下さい。
凄くつまらなかった。というのが感想。思いっきりネタバレしてます。

まず、主人公の行動が不愉快でした。
いくら癌で余命が無いとはいえ、自分のことを大事にしてくれる家族や友人、そういった人たちから距離をとり、そのくせ自分は被害者面してる。
というか、「周りの人が大切だから親しくなりすぎないようにする」みたいな感じなんですけど。それでも、限られた命を存分に生きようとか、そういう気概が感じられなかった。
周りの人達を気遣う、というのを優しさと見るかどうか、という問題は残りますが。ただ、この主人公は、そうやって周りを気遣っている「優しい自分」に浸っているように思えました。

後、自分だけを見て欲しい〜っていう考えを持っているようで、そこは共感できました。でも、だからといって周りから距離をとったり(癌の影響もあるでしょうが)するのは、やっぱりヒロイズム的な感じが否めないですね。

次に、展開がご都合主義的。
癌だというネタ晴らしをするのも最後の最後だし、読み手の同情を誘っているように思える。
けどま、それはいいんです。
問題は、神居(=カラス・攻)が吸血鬼だというネタ。それまで普通の人間生活、ある意味現実世界をベースに描いていたのに、いきなり吸血鬼ですか・・・・・・?
しかも、それが分かるのも最後の最後。
で、もっとヒドいのは、吸血鬼は病気などを治す事が出来るという設定。治す代償が必要となるようですが、それにしても、最後の最後で癌を治すなんて・・・。
残酷かもしれないけど、主人公は癌で死んで・・・っていう方が良かったかな。てか、それだったら多分泣けてた^^;
主人公が嫌い〜とかそういうことよりも、最後の最後、いいところで急にご都合主義的な展開にしないで欲しかった。
キャラ設定に不満があっても、読後にジワッと来たと思うので。

なんだか、厚さの割に中身も薄かったような。
感動した、という感想もチラホラ目にしますが、自分の趣向には合わなかったかな。
とりあえず、ここまで批判的なのは主人公が嫌いだったというのが大きいので、作品自体はそこまで悪くなかったとは思います。感想、主観的な物ですし。

それと、何より気になったのは、癌を簡単に描きすぎていること。
勿論俺は癌じゃないし、幸い身近にも癌の人はいないけど(俺がまだ生まれる前に、祖父は癌で亡くなったらしいけど)。
それでも、テレビや小説などで、僅かながらも実情を目にすることはあります。それはほんの一部だろうし、癌という病気について分かった気になってもいないつもりです。
だけど、それにしても、この作品での「癌」という病気の位置づけが軽々しく思えた。
「吸血鬼に治して貰う?ハッ」って感じ。実際に苦しんでいる人がいる中で、こんな簡単に、主人公に同情するかの如くご都合主義的に治してしまうのは不愉快だったな。


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